■労働保険の適用対象者の範囲について 《労働基準局の資料を引用》 労災保険と雇用保険が一緒になった労働保険は、それぞれで適用加入できる労働者の範囲が違います。 このコーナーでは分かりやすい表にして解説してありますので、兼務役員など貴社の従業員の加入チェックができます。 |
労 災 保 険 | 雇 用 保 険 | |
基本的な事項 | 原則として、常用労働者、日雇い、パートタイマー、アルバイトなど、名称・雇用形態にかかわらず、労働の対価として賃金を受けるすべての労働者が対象となります。 ただし、船員保険の被保険者は、労災保険の対象労働者とはなりません。 | 雇用保険の適用事業場に雇用される労働者は、原則として被保険者となります。ただし、次に掲げる労働者については、雇用保険の適用はありません。
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パートタイム労働者 | すべて適用されます。(所定労働時間・日数・雇用期間を問わず対象になります) | 就業規則等や雇入通知書に定められているパートタイム労働者の労働時間・賃金・その他の労働条件が、次の要件をすべて満たしている場合には、そのパートタイム労働者は本人の希望の有無にかかわらず、雇用保険の被保険者となります。
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事業主と同居している親族 労災保険については、当センター (労働事務組合)に委託すれば、 特別加入制度により事業主等も 労災保険に加入できます。 | 事業主と同居している親族は、原則として、労働者にはなりません。 ただし、法人・個人を問わず、同居の親族とともに一般労働者を使用し、次の3つの条件をすべて満たした場合のみ、労働者として取り扱われます。
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法人の役員(取締役) 労災保険については、当センター (労働事務組合)に委託すれば、 特別加入制度により役員等も 労災保険に加入できます。 | 代表権・業務執行権を有する役員は、労災保険の対象となりません。 ただし、法人の取締役・理事・無限責任社員などの地位にある者であっても、法令・定款などの規定に基づいて業務執行権を有すると認められる者以外で、事実上は業務執行権を有する取締役・理事・代表社員などの指揮監督を受けて労働に従事し、その代償として賃金を得ている者は、原則として「労働者」として取り扱われます。 また、監査役・監事は、法令上、使用人を兼ねることができないとされていますが、事実上、一般の労働者と同様に賃金を得て労働に従事している場合は、「労働者」として取り扱われます。 | 取締役は、原則として、被保険者とはなりません。 ただし、取締役であって、同時に、部長・支店長・工場長など従業員としての身分を有する者は、報酬支払等の面から見て労働者的性格の強い者で、かつ、雇用関係があると認められる者に限り、被保険者として取り扱われます。 なお、次のいずれかの地位にある者は、被保険者とはなりません。
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※労災保険・雇用保険いずれの場合も、保険料の対象となる賃金は、「役員報酬」の部分は含まれず、雇用労働者としての「賃金」の部分だけです。 | ||
出向労働者
事業の組織に組み入れられ、 出向先の事業主の指揮監 督を受けて労働に従事する 者をいいます。 | 出向労働者は、出向事業場で適用されます。この場合の賃金の計算については、出向元で支払われる賃金についても、出向先の賃金に含めて計算します。 | 出向元と出向先など同時に2つ以上の雇用関係にある労働者は、生計を維持するのに必要な主たる賃金を受けるほうの雇用関係についてのみ、被保険者となります。 |
海外出張勤務者 | 商談などのために海外に赴いても、国内の事業に所属し、その事業の使用者の指示に従って勤務する者は「出張」となり、労災保険の対象となります。 これに対し、海外の事業場に所属し、その事業の使用者の指揮に従って勤務する者は「海外派遣者」となり、国内法の労働者とは認められません。原則的には、派遣された国の法律制度が適用されます。(ただし、「特別加入制度」の加入手続きをすることにより、労災保険の適用を受けることができます) | 出張・派遣は被保険者となりますが、海外の事業場に現地で採用される者は、被保険者となりません。 |